南北戦争のとき、リンカーンは、
敵の南軍を壊滅させ、戦争を即刻終結させる好機に恵まれたことを喜び、期待に胸をふくらませて、ミード将軍に「すぐに追撃せよ!」と命令した。
ところが、ミード将軍は、リンカーンの命令とまるで反対のことをしてしまった。
リンカーンは、ミード将軍あてに、リンカーンがどれほど腹が立ったかという内容の手紙を書いた。
ミード将軍は、この手紙を読んで、どう思っただろうか?
実は、ミード将軍は、この手紙を読まなかった。
リンカーンが投函しなかったからだ。
この手紙は、リンカーンの死後、彼の書類の間から発見されたのである。
これは私の推測に過ぎないが、おそらくリンカーンは、この手紙を書き上げると、しばらくのあいだ窓から外をながめていたことだろう。
そしてこうつぶやいたにちがいない。
「もし私が、ミード将軍のように生まれつき気が小さくて、
同じような立場におかれたら、ミード将軍と同じことをやったにちがいない。
それに、もう万事手遅れだ。
なるほど、この手紙を出せば、私の気持ちはおさまるかもしれない。
だがミード将軍は、どうするだろうか?
自分を正当化して、逆にこちらを恨むだろう。
そして、私に対する反感から、今後は司令官としても役立たなくなり、
結局は、軍を去らねばならなくなるだろう」
そこで、リンカーンは、この手紙を、しまいこんだのに相違ない。
リンカーンは過去の苦い経験から、手きびしい非難や詰問は、たいていの場合、何の役にも立たないことを知っていたのだ。
D.カーネギーの『人を動かす』より
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